マスター・アプレンティス言語学習プログラム(MAP)とは?

マスター・アプレンティス言語学習プログラム(MAP)は、先住民族言語の世代間継承を促すために米国カリフォルニア州で1990年代初めから実践されているプログラムです。オーストラリアカナダ米国アラスカ州でも実践されています。これは、まだ話者が存在する状況で実践可能なアプローチです。

話者をマスター(師匠)ないしメンター(助言者)、新しい話者をアプレンティス(弟子)と位置づけ、両者が一緒に日常生活を送ることを通して、伝統的な暮らしや価値観を学び、世代間の記憶とことばをつなぐことを目的としています。ただし、MAPの大きな原動力は、新しい話者自身が話者と一緒に過ごす時間を積極的に作り、自律的な学びを発揮していくことにあります。私たちが想像する「師弟関係」とは趣を異にするため、呼称に惑わされないよう注意する必要があります。

MAPでは、新しい話者が話者との個人的な交流を通してことばを学ぶため、言語の多様性を犠牲にすることなく、ことばをそのまま吸収できる利点があります。琉球諸語は北東の奄美群島から南西の与那国島にかけて大きく5~6系統に分類されており、集落(しま)ごとにみると優に数百種類を超えるともいわれています。したがって、MAPは琉球諸語にも適していると考えられます。

本プロジェクトMAI-Ryukyusの原点となったMAPでは、話者と新しい話者が週に10~20時間、先住民族言語のみを使って一緒に日常生活を送るというプログラムを提供しており、参加者の多大な労力に対して給付金が支給されています。一方、琉球諸島では、まだそうした対価をお支払いする準備が整っていないため、MAI-Ryukyusでは、MAPのような「プログラム」の形は取らず、参加者が自分の生活スタイルに合わせてもっと柔軟に身近な話者と一緒に過ごせるよう、下記の3つの柱からなる「イニシアティブ」(取り組み)の形をとっています。

(1) 新しい話者同士の横のつながり

(2) 身近な話者と一緒に過ごす時間

(3) 新しい話者の自律的な学びを支える資料 + 専門家によるサポート

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